ちちぶこども園
中庭と遠くの山並みに抱かれる子どもたちの学び舎

秩父13番札所滋眼寺の住職が理事長の学校法人弘道学園ちちぶこども園の移転新築の建設計画
<コンセプト>
幼稚園・保育園・学童保育があり、英語室や音楽室、遊戯室など情操教育に注力した教育方針に相応しい空間を創出。地域おこしの核となる施設を目指す。
<設計での工夫>
・自然な木材で仕上げた空間:木構造を活かし、床は無垢フローリングおよび木製デッキ仕上げに。内部は調湿性に優れた珪藻土、外部は左官仕上げの壁とするなど「本物の仕上げ」を多用。
・子供たちの交流や活動を妨げない構造方式:「小さな家」が集まったように、子供目線で楽しい空間に。桁行方向3.6mのRCボックスで2棟の木造を繋いだ構造方式を採用。「ジョイスト梁」を可能な限り現す。

 

秩父市下宮地町会公会堂
雑木林を望む大きな屋根の小さな集会場

祭りを通じて人との繋がりを大切にする秩父市下宮地町会公会堂の再建計画
<コンセプト>
大きな屋根がまちのシンボルとなって、その下に集う人たちが安心安全に過ごせ、孫の代まで親しまれる。ヒューマンスケールの「大きな屋根の小さな集会場」を創出する。
<設計での工夫>
敷地に面して、気持ちの良い環境を与えてくれる雑木林があり、そこに向かって真っすぐな軸を通すことで、象徴性を与え、木造屋根の構造を現しにすることで、木のぬくもりが感じられる建築を目指した。傾斜した棟木と登り梁からなる合掌屋根の連続が緩やかに曲線を描き美しいシルエットをつくる。雑木林を切り取るピクチャーウィンドウや通り抜け出来るエントランスホールは周辺環境との繋がりを強調したもの。

 

知恵の場オフィス
無機的なオフィスからカフェのようにオシャレで居心地のいいコワーキングスペースへ

個人、法人を問わずテレワーカー、ノマドワーカーが集まるコワーキングオフィスへの改修計画
天井解体、壁クロス撤去から始まり、試行錯誤を繰り返して、進化し続ける現在進行形プロジェクト
<コンセプト>
働き方改革は働き場改革から。カフェのようにおしゃれで居心地のいいオフィスへの転換を図る。
<設計での工夫>
工事をしながら設計し直す作業の連続で、「オフィスっぽくない空間でも機能的」、「ローコストだけどチープに見えない」など相反するギャップを埋めるため、廉価材の使用、DYI、現有品のリニューアルでコスト削減をはかりつつ、耐久性やデザイン性へのこだわりは捨てず、家具、仕上げ材、色彩、備品などの調整を重ね、「生産性の高いほっこりするオフィス」の創出を図った。

 

浜田山の家
新築orリフォーム?それ以上の選択肢を可能にする

竣工後33年経つ木造再建築不可物件の全面改修計画
<コンセプト>
敷地環境の良好な「再建築不可物件」を継承し可能性を最大限に生かすため、小さいながらも建物外周に残されたスペースを個性的な庭に変え、建物を全面改修し、「自然を楽しむ家」を目指す。
<設計での工夫>
①リビングダイニングを1階から気持ちの良い2階にするなど、間取りの全面見直し。
②耐震改修とともに不要な柱を取り、梁で補強など構造の合理化。
③断熱材の充填、木製サッシ、樹脂サッシなど断熱サッシの採用。二重屋根、土間コンクリートの敷設。
④前庭、バスコート、デッキテラスの創出とそれぞれに個性的な樹木で演出。
こだわりは時間とともにあじわいを増す素材、回れる動線の創出、きめの細かい家具・建具・収納。

 

松島ワンダーランドミュージアム構想
松島のルーツに触れ、想像力を喚起する体験型新観光名所の創出

宮城県主催の松島の新たな観光拠点整備事業者選定のプロポーザルコンペで設計者とて参加し、最優秀案に選ばれたプロジェクト
<コンセプト>
従来の遊覧船による松島湾巡りが主体の松島観光に新たな魅力と奥行きを与え、インバウンドから国内観光客をターゲットに通過型から滞在型観光への転換を図る。
<設計での工夫>
敷地に面した岩山を「陸に浮かぶ松島」に見立て、陸と海を繋ぐ。
松島のミクロコスモスを体現するような広場と盆栽展からなる美術館やマルシェを提案。
「霊場」として多くの人が祈りを捧げ、松尾芭蕉にも親しまれた「雄島」とJR松島駅をつなぐ「パッサージュ」の役割と、松島オリジナルが重要であるという視点に立って、「回遊」「修景」「食」を素材とした交流施設を提案。

 

東池袋造幣局跡地プロポーザル
造幣局の森とひろば まちを守り・人を育て・文化をつくる

平常時は賑わいを創出し、災害時には避難広場や救出救援活動の拠点になる豊島区造幣局跡地防災公園の事業者選定プロポーザルに建築家とて参加したプロジェクト
<コンセプト>
大樹に癒され、樹下に人が集うように、「安心」と「賑わい」を象徴する屋根。その下に憩いの場やイベント広場を設け、わくわくする公園を目指す。
<設計での工夫>
屋根のある寛ぎの場、水のある賑わいの場は子育て層だけでなくオフィスワーカー、学生、お年寄りなど様々な人たちの共感を生むと考え、イベントステージにもなる大屋根テラスに面して水盤を設け、水と戯れる子供たちとそれを楽しそうに見守る大人たちの居場所を創出。デリとレントランは食を中心にした文化と賑わいの中心。

 

柏の葉キャンパス木造オフィス
働き方改革は働き場改革から 木造で変わるワーキングスペース

新興都市の新たな営業拠点として、一階には一般開放するシェアオフォスをもつ木造3階建てのオフォスビル新築計画
<コンセプト>
各自の生産性の向上や部署間のコラボレーションの機会を増やすような自由度が高く多様なオフィス環境の創出を木造建築でめざす。
<設計での工夫>
木造の柱、梁が特徴的な吹き抜けに面して大きさや仕上げの異なるスペース、「カフェ」「打ち合わせスペース」「ハイテーブル」など個性的な場を設ける。オフォスワーカーが、その日のそれぞれの仕事の目的や内容に合わせて、様々なタイプの空間を選べるような、多様なワークスペースの創出を図る。

 

S町木造庁舎構想
林業の町にふさわしい森の循環サイクルを生かした木造建築

地元木材の流通から建設まで一気通貫で地域林業システムを提案した木造庁舎の移転新築計画
<コンセプト>
町内で生産可能な中断面集成材の活用や木材現しによる温かみのある内装、木製サッシの利用など大規模木造建築の可能性を追求し、林業の町にふさわしい庁舎を目指す。
<設計での工夫>
様々なイベント、行事に対応できる広場、地形に呼応する片流れの大屋根を設ける。
杉板張りの外壁と木製サッシで景観に調和させる。ダブル格子梁構造、ハイブリッド三層耐火構造により、壁の少ない開放的で親しみやすいガラスファサードを創出する。

 

パリー美容専門学校柏校
都市のファサードに変化を与え、若者の創造性を育む美容学校

千葉県で最も歴史ある美容専門学校、学校法人パリー美容専門学校柏校舎の新築計画
<コンセプト>
美を追求する人材育成の場にふさわしい創造性豊かな学校をつくる。
街に開かれ美容学校の存在が認知され、街の顔になる建築をつくる。
<設計での工夫>
敷地は柏駅から程近い主要道路沿いの交差点の一角を占める。建物のファサードに、素材と形態で変化を与え、内壁の色彩が夜景を演出するなど、景観形成に寄与する建築を目指す。南面の緩やかに繋いだ屋外階段は校庭を持たない学生にとって、休み時間の交流の場であり、緊急時は避難動線として機能し、立面に奥行を与える。内向的な表情を持つビル群のなかで、学生たちの活動が垣間見え、都市を生き生きとさせるファサードのあり方を探った。

 

パリー美容専門学校実習棟
美容サロンとすまいが一体の「ビューティシャンの家」をもつ美容専門学校

美容サロンと着付けの実習室とその上階のゲストルームから構成されるパリー美容専門学校柏校の拡張計画
<コンセプト>
美容専門学校のゲストルームを併設する実習室というプログラムを美容サロン経営者の職住一体の住まいに読み替えて設計することで、実践教育に耐えうるリアリティの獲得を目指した。
<設計での工夫>
道路車線制限により、切り取られる形と階段の勾配を利用して出来る三角窓が「美容サロン」らしい独創的なファサードを形成し、内部の光と景色を特徴づける。美容サロン、着付け室、ゲストルーム、ロフトと上階に行くほど狭くなる部屋を螺旋状に繋ぐ階段と吹き抜けで補う。実際に職住一体を楽しむことの出来る空間と設備を備える。

 

ICHIKIカーライフサポートショップ
カフェのように誰でも立ち寄れるまちのカーライフサポートショップ

メーカーを特定しない自動車整備工場ならではの、カーライフサポート事業推進のためのショールームの新築計画
<コンセプト>
既存の整備工場事務所との一体感を保ちながら、新しい経営戦略の顔になること、街のサロンのような親しみやすさを持つ建築を目指す。
<設計での工夫>
タウンスケールに抑えた軒高(スカイライン)とヒューマンスケールに合わせた気持ちの良い天井高さを設定する。耐候性鋼鈑(コールテン鋼)を使った鉄の赤茶けた錆色のカーテンウォールを使って木製サッシのような温もりと高耐久性を調和させる。外装材はシルバーの波型鋼鈑を用いて車の持つモダンな雰囲気に仕上げ、内造材は木質系でまとめ、カフェのように落ち着いた空間の創出を図る。

 

四谷アパートメント改修
暮らし方の選択肢を増す建具のある暮らし

分譲新築マンションのある住戸のリノベーション計画
<コンセプト>
個室の数が重要な分譲マンションではシングルやディンクス、子供の成長を感じながら子育てしたい夫婦にとって、間仕切り壁が理想の暮らしの実現を阻むこともある。マンションのような高密な生活の場にこそ、ふすまや障子のような建具を取り入れ、自由に仕切れるおおらかな暮らし方を実現する。
<設計での工夫>
壁とドアーで細分化された個室を解体し木製建具で緩やかに繋ぐ。和紙より耐久性の高い障子で柔らかな光を取り入れ、仕切り方次第で間取りを変えられる開放的な空間を創出。微妙に高さの異なる梁や家具とも調和させ一体感を持たせる。